トラネキサム酸錠とは
トラネキサム酸錠は、主に出血を抑える効果を持つ薬として知られていますが、実はそれ以外にも多くの症状に効果があります。先発医薬品名は「トランサミン錠」です。250mgと500mgの2つの規格があります。
どんなときに使うの?
1. 出血傾向の改善
- 全身性の出血傾向
- 白血病
- 再生不良性貧血
- 紫斑病
- 手術中・術後の異常出血
- 局所的な異常出血
- 肺出血
- 鼻出血
- 性器出血
- 腎出血
- 前立腺手術中・術後の異常出血
2. 皮膚症状の改善
以下の疾患における紅斑・腫れ・かゆみなどの症状を和らげます:
- 湿疹とその類似症状
- じんましん
- 薬疹・中毒疹
- 肝斑(しみ)の改善
3. のどの症状改善
以下の症状を和らげます:
- 扁桃炎
- 咽喉頭炎
- 風邪による喉の痛み
4. 口内炎の症状改善
- 口内の痛み
- 口内粘膜のアフター(口内炎の一種)
トラネキサム酸の働き
トラネキサム酸は「抗線溶薬」という種類の薬です。主な作用は以下の通りです:
- 抗プラスミン作用:体内で血液を固まりにくくする物質(プラスミン)の働きを抑えることで、出血を止める効果があります。
- 抗炎症作用:炎症を抑える働きがあり、皮膚や粘膜の症状改善に効果があります。
- メラニン生成抑制:肝斑などの色素沈着を改善する効果があります。
これらの作用により、止血だけでなく、風邪の喉の痛みや肝斑の改善にも効果を発揮します。
使い方
- 通常、成人は1日750mg〜2000mgを3〜4回に分けて服用します。
- 1回の服用量は250mg〜667mg程度になります。
- 年齢や症状によって、服用量は調整することがあります。
- 食後に服用するのが一般的です。
風邪の喉の痛みや肝斑へ使用される場合
※トラネキサム酸を主成分としたOTC薬としてぺラック配合錠、トランシーノなどがあります
- 風邪の喉の痛み:抗炎症作用により、喉の痛みや腫れを軽減します。通常の止血薬としての用量よりも少ない量で効果が期待できます。
- 肝斑(しみ):メラニン生成を抑制し、肝斑の改善に効果があります。継続して服用が必要で、通常2ヶ月程度継続使用後に2か月程度休薬が推奨されています。(再発の平均期間が服用終了から2か月後だったため)
注意点
- アレルギー反応に注意
- 血栓症のリスクがある方は慎重に使用
- 妊娠中・授乳中の方は医師に相談
- 他の薬と一緒に使う場合は医師や薬剤師に確認
- 肝斑治療の場合は、日焼け対策も併せて行うことが重要
副作用
主な副作用には以下のようなものがあります:
- 胃腸障害(吐き気、下痢など)
- めまい
- 眠気
まれに深刻な副作用(血栓症など)が起こることもあるので、異常を感じたらすぐに医師に相談しましょう。
まとめ
トラネキサム酸錠(トランサミン)は、出血を抑える効果だけでなく、風邪の喉の痛みや肝斑の改善など、多彩な症状に効果を示す便利なお薬です。ただし、正しく使用することが大切です。気になる症状がある場合は、まずは専門家に相談してみましょう。
当薬局での価格
トラネキサム酸錠250mg(10錠) 300円
トラネキサム酸錠250mg(90錠) 2500円
トラネキサム酸錠500mg(10錠) 400円
トラネキサム酸錠500mg(90錠) 3000円
トランサミン錠250mg(10錠) 350円
トランサミン錠250mg(90錠) 3200円
トランサミン錠500mg(10錠) 450円