
10錠 300円(税込)
100錠 2,500円(税込)
ピドキサール20mgとは
ピドキサール20mgは、ビタミンB6の活性型であるピリドキサールリン酸エステルを有効成分とする医療用医薬品です。通常のビタミンB6よりも体内で直接利用できる形であるため、より効率的にビタミンB6の効果を発揮します。ビタミンB6欠乏症や関連疾患の治療・予防に使用されます。
効能・効果
ピドキサール20mgは、以下の症状・疾患に使用されます:
1. ビタミンB6欠乏症の予防及び治療
一般的な欠乏症:
- 栄養不良による欠乏
- 吸収不良による欠乏
- 代謝異常による欠乏
薬物投与による欠乏症:
- イソニアジド:結核治療薬の副作用として
- その他の薬剤:ビタミンB6の代謝を阻害する薬剤
2. ビタミンB6の需要増大時の補給
需要が増大する状況:
- 消耗性疾患:長期間の病気で体力が消耗している時
- 妊産婦:妊娠中・出産後でビタミン需要が増加している時
- 授乳婦:授乳によりビタミンが不足しやすい時
- 成長期:子供の成長に伴う需要増加
- 激しい運動:スポーツ選手や肉体労働者
3. ビタミンB6依存症
ビタミンB6依存症とは:
- 通常より大量のビタミンB6を必要とする先天性の病気
- ビタミンB6反応性貧血:大量のビタミンB6により改善する貧血
- 依存性痙攣:新生児期に起こるけいれん
- その他の依存症:遺伝的にビタミンB6の必要量が多い疾患
4. ビタミンB6の欠乏又は代謝障害が関与する疾患
口腔・舌の症状:
- 口角炎:口の端が切れたり荒れたりする症状
- 口唇炎:唇の腫れや乾燥、ひび割れ
- 舌炎:舌の腫れ、痛み、色の変化
- 口内炎:口の中にできる炎症や潰瘍
皮膚の症状:
- 急性・慢性湿疹:かゆみを伴う皮膚の炎症
- 脂漏性湿疹:皮脂の分泌が多い部位に起こる湿疹
- 接触皮膚炎:かぶれやアレルギー性の皮膚炎
- アトピー皮膚炎:慢性的なアレルギー性皮膚炎
- 尋常性痤瘡:いわゆるニキビ
神経の症状:
- 末梢神経炎:手足のしびれ、感覚異常、運動麻痺
その他:
- 放射線障害(宿酔):放射線治療による副作用
用法・用量
- 通常用量:成人1日10~60mg
- 服用回数:1日1~3回に分割
- 調整:年齢、症状により適宜増減
- 依存症の場合:極めて稀だが、より大量を用いる必要がある場合もある
ピリドキサールリン酸エステルの特徴
通常のビタミンB6との違い
活性型ビタミンB6:
- 即効性:体内で変換される必要がなく、直接作用
- 効率性:より少ない量で効果を発揮
- 安定性:体内での安定性が高い
- 吸収性:消化管からの吸収が良好
ピリドキシンとの比較:
- ピリドキシン:一般的なビタミンB6、体内で活性型に変換が必要
- ピリドキサールリン酸:すでに活性型なので直接利用可能
体内での役割
補酵素としての働き:
- アミノ酸代謝:タンパク質の分解・合成に必要
- 神経伝達物質の合成:セロトニン、ドーパミン、GABAの生成
- ヘモグロビンの合成:赤血球の生成に関与
- 脂肪酸代謝:脂質の代謝に関与
ビタミンB6の生理的役割
1. アミノ酸代謝
- トランスアミナーゼの補酵素:アミノ酸の相互変換
- デカルボキシラーゼの補酵素:アミノ酸の脱炭酸反応
- タンパク質合成の促進:筋肉や臓器の維持
2. 神経機能の維持
- 神経伝達物質の合成:
- セロトニン(幸福感、睡眠調節)
- ドーパミン(運動機能、意欲)
- GABA(抑制性神経伝達物質)
- ノルアドレナリン(覚醒、集中力)
3. 血液の生成
- ヘモグロビン合成:酸素運搬能力の維持
- 赤血球の成熟:正常な赤血球の形成
- 免疫機能の維持:白血球の機能サポート
4. ホルモン調節
- 女性ホルモンの代謝:エストロゲンの代謝に関与
- 月経前症候群(PMS):症状の軽減に効果
- 妊娠時のつわり:症状の改善に使用されることがある
食事からのビタミンB6摂取
ビタミンB6を多く含む食品
動物性食品:
- 魚類:まぐろ、かつお、さけ、さば
- 肉類:鶏胸肉、豚ヒレ肉、レバー
- 乳製品:チーズ、牛乳
植物性食品:
- 野菜:にんにく、赤ピーマン、モロヘイヤ
- 果物:バナナ、アボカド、キウイフルーツ
- 豆類:大豆、いんげん豆、ひよこ豆
- 穀類:玄米、小麦胚芽、オートミール
- ナッツ類:ピーナッツ、ひまわりの種
調理・保存上の注意
- 水溶性ビタミン:茹で汁も活用する
- 光に敏感:直射日光を避けて保存
- 熱に比較的安定:通常の調理では大きく失われない
- アルカリに弱い:重曹などの使用に注意
特定の疾患・状況での使用
1. 妊娠・授乳期
- つわりの軽減:吐き気や嘔吐の症状改善
- 胎児の発育:神経管閉鎖障害の予防効果
- 授乳期の需要:母乳中への分泌により需要増加
- 安全性:通常量では安全とされている
2. 結核治療時
- イソニアジド併用:末梢神経炎の予防
- 予防的投与:症状が出る前からの使用
- 継続的投与:結核治療期間中は継続
3. 皮膚疾患
- アトピー性皮膚炎:症状の軽減効果
- 脂漏性湿疹:皮脂分泌の正常化
- ニキビ:皮脂分泌とホルモンバランスの調整
4. 神経疾患
- 末梢神経炎:神経機能の回復促進
- 手根管症候群:症状の改善効果
- 糖尿病性神経症:補助的治療として
副作用と注意点
よくある副作用
- 胃腸症状:胃のむかつき、下痢、便秘
- 皮膚症状:発疹、かゆみ
- 神経症状:まれに感覚異常(大量長期投与時)
まとめ
ピドキサール20mgは、活性型ビタミンB6として、通常のビタミンB6よりも効率的に作用する医療用医薬品です。ビタミンB6欠乏症の治療・予防から、皮膚疾患、神経疾患、さらには先天性のビタミンB6依存症まで、幅広い疾患に使用されます。
使用方法や副作用について不明な点があれば、必ず医師や薬剤師にご相談ください。
当薬局の価格
10錠 300円(税込)
100錠 2,500円(税込)