尿失禁頻尿過活動膀胱尿もれ切迫性尿失禁プロピベリン

【尿失禁・頻尿・過活動膀胱治療剤】プロピベリン塩酸塩錠

20mg 10錠 1,200円(税込)

プロピベリン塩酸塩錠とは

プロピベリン塩酸塩錠は、頻尿や尿失禁の治療に使用される医療用医薬品です。膀胱の異常な収縮を抑えることで、トイレに行く回数を減らし、急な尿意や尿漏れを改善します。抗コリン作用とカルシウム拮抗作用の両方を持つことで、効果的に膀胱の過剰な活動を抑制します。

効能・効果

プロピベリン塩酸塩錠は、以下の2つの主要な適応症があります:

1. 様々な疾患・状態における頻尿、尿失禁

神経因性膀胱

  • 脊髄損傷、脳卒中、パーキンソン病などによる膀胱の神経障害
  • 膀胱のコントロールが効かなくなる状態
  • 尿が溜められない、または出せない症状

神経性頻尿

  • 精神的ストレスや緊張による頻尿
  • 実際の膀胱容量は正常だが、頻繁にトイレに行きたくなる
  • 不安や緊張により症状が悪化

不安定膀胱

  • 膀胱が勝手に収縮してしまう状態
  • 急な強い尿意(尿意切迫感)
  • トイレまで我慢できない切迫性尿失禁

膀胱刺激状態

  • 慢性膀胱炎:長期間続く膀胱の炎症による頻尿・痛み
  • 慢性前立腺炎:前立腺の慢性的な炎症による排尿症状

2. 過活動膀胱における症状

過活動膀胱(OAB: Overactive Bladder)とは

  • 膀胱が過敏になり、勝手に収縮してしまう病気
  • 日本では約800万人以上が悩んでいる

主な症状

  • 尿意切迫感:突然起こる強い尿意で我慢が困難
  • 頻尿:日中8回以上、夜間1回以上トイレに行く
  • 切迫性尿失禁:急な尿意でトイレまで間に合わず漏れてしまう

効能・効果に関連する重要な注意点

1. 適用前の確認事項

類似症状を呈する疾患の除外

  • 尿路感染症:細菌による膀胱・尿道の感染
  • 尿路結石:腎臓・尿管・膀胱の結石
  • 膀胱癌や前立腺癌:下部尿路の悪性腫瘍
  • その他の新生物:良性・悪性の腫瘍

必要な検査

  • 尿検査:感染や血尿の有無を確認
  • 問診:詳細な症状の聴取
  • 専門的検査:必要に応じて膀胱鏡検査、超音波検査など

2. 下部尿路閉塞疾患への対応

前立腺肥大症などを合併している場合

  • まず閉塞疾患の治療を優先
  • 閉塞が改善してから本剤を使用
  • 閉塞が残存している状態での使用は尿閉のリスク

用法・用量

基本的な用法・用量

  • 通常用量:プロピベリン塩酸塩として20mg
  • 服用回数:1日1回
  • 服用タイミング:食後
  • 投与経路:経口投与(口から飲む)

用量調整

  • 年齢・症状による調整:適宜増減可能
  • 効果不十分な場合:20mgを1日2回まで増量可能
  • 1日最大量:40mg(20mg×2回)

服用スケジュール例

  • 1日1回の場合:朝食後20mg、または夕食後20mg
  • 1日2回の場合:朝食後20mg+夕食後20mg

プロピベリンの作用機序

1. 抗コリン作用(ムスカリン受容体拮抗作用)

  • 膀胱平滑筋の弛緩:膀胱の筋肉の収縮を抑制
  • 不随意収縮の抑制:勝手に収縮するのを防ぐ
  • 膀胱容量の増加:尿を溜められる量が増える
  • 排尿回数の減少:トイレに行く回数が減る

2. カルシウム拮抗作用

  • カルシウムイオンの流入抑制:筋肉細胞へのカルシウム流入を阻害
  • 平滑筋弛緩の強化:抗コリン作用に加えてさらに弛緩
  • 相乗効果:2つの作用で効果的に膀胱収縮を抑制

3. 選択的作用

  • 膀胱選択性:膀胱により強く作用
  • 他臓器への影響:比較的少ない
  • 副作用の軽減:選択性により副作用が軽減される傾向

治療効果の現れ方

効果発現時間

  • 初期効果:服用開始から数日~1週間
  • 最大効果:2~4週間程度で安定
  • 個人差:効果の現れ方には個人差がある
  • 継続の重要性:効果判定には最低2週間の継続が必要

期待される改善

  • 排尿回数の減少:日中・夜間とも減少
  • 尿意切迫感の軽減:突然の強い尿意が減る
  • 尿失禁の減少:漏れる回数や量が減る
  • QOL(生活の質)の向上:外出や旅行が楽になる

副作用と注意点

よくある副作用(抗コリン作用による)

口渇(こうかつ)

  • 最も一般的な副作用(10~30%程度)
  • 唾液分泌の減少により口が渇く
  • 水分をこまめに摂取、シュガーレスガムなどで対応

便秘

  • 腸の動きが抑制される
  • 食物繊維の摂取、適度な運動
  • 必要に応じて緩下剤の使用

霧視(視力のぼやけ)

  • ピント調節機能の低下
  • 運転や細かい作業時は注意
  • 一時的な症状で、慣れることも多い

残尿感

  • 膀胱の収縮力低下による
  • 完全に尿が出し切れない感じ
  • 尿閉のリスクに注意

使用を避けるべき場合

  • 閉塞隅角緑内障:眼圧上昇のリスク
  • 前立腺肥大症による排尿障害:尿閉のリスク
  • 重篤な心疾患:心機能への影響
  • 腸閉塞またはその既往:麻痺性イレウスのリスク
  • 重症筋無力症:症状悪化のリスク

運転や機械操作

  • 初期の服用時:めまいや眠気に注意
  • 症状安定後:通常は可能だが個人差あり
  • 副作用出現時:運転や危険作業は避ける

他の薬剤との相互作用

併用注意の薬剤

抗コリン作用を持つ薬剤

  • 抗パーキンソン薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬など
  • 抗コリン作用が増強される
  • 副作用(口渇、便秘、尿閉など)のリスク増加

中枢抑制薬

  • 睡眠薬、抗不安薬、抗精神病薬など
  • 眠気やめまいが増強される可能性

降圧薬

  • 血圧低下作用が増強される可能性

まとめ

プロピベリン塩酸塩錠は、抗コリン作用とカルシウム拮抗作用を併せ持つ過活動膀胱治療薬です。膀胱の異常な収縮を効果的に抑制し、頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁などの症状を改善します。


使用方法や副作用について不明な点があれば、必ず医師や薬剤師にご相談ください。


当薬局の価格

20mg 10錠 1,200円(税込)

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